食卓の向こう側

食卓の向こう側シリーズを読んでいます。

今はNo.10です。


海の変化、魚の変化、
日本は海に囲まれた国。
魚は栄養の宝庫であったはずなのに・

今は海は汚染されているという意識が必要です


消費者といわれる私達が作ってきたひどい状況

“台所の排水は魚を汚して、自分の体内を汚す。”


農業で使った農薬も
大気中の排気ガス等の
有害物質も
すべてが海に流れ出て、
プランクトン、小魚、大魚を経て、
数百倍に濃縮され、
私達の体に帰ってくるのです。

さらにこんな事実もあり、結構深刻です

大型魚よりも小型魚のほうが、
濃縮が少ないから安全なのに、
日本人はマグロやはまちやサーモンなど大型魚を好んでめざしやアジなど小型魚は食べられなくなってきている。

そんな嗜好に合わせてノルウェー産のさばが輸入される一方で、
小さな規格外のさばは中国や韓国に輸出されている。

なんと水揚げ量55万トンのうち3割にあたる
17万トンが輸出にまわされているみたいです。

スーパーや魚屋で小さい魚を見かけなくなったなあという人もいるかもしれませんが
それはとれなくなったからではなく、日本人の贅沢病とも言うべき事実が起こした状況です。

そのうちお店には加工され消費者には全体像が全く分からない見かけだけ良く偽られた切り身しか並ばない日がきてしまうのかも。


この本にはそんな状況に危機感を持ち、現状を変えようとしている方たちの取り組みが掲載されています。

例えば、稚魚が売れなくて困っている、どうにかしてくれないかと友達の漁師さんに相談をうけたために、
小さな豆アジのたたき身のハンバーグなどを考案。
いまや九州地方全体でお惣菜を販売している、もったいない食堂さん。

(こちらの社長さんは熊本県で旬の野菜食材のブッフェレストランTIAを経営している方で、本誌によるともったいない精神をもつ若者の支援も
積極的にしようと考えている素敵なかた)

漁業生産が落ち込む中、伸びているのは養殖だけ。
養殖への理解を深めようと、開かれた養殖のために動画配信を取り入れた漁師さん。


TVで魚は新鮮が一番!ということをやりすぎていて、
白身魚は締めてから少し時間がたったほうが美味しいという事実や、
さらしやラップでまいて冷蔵庫に入れ、熟成させた1ヶ月前のぶりのまろやかなうまみ
を伝えようとしていないことが問題だと訴える卸市場の魚屋さん。

(新鮮さを追い求める消費者のために魚を生きたまま運び、維持するコストが業界全体を圧迫しているとの事)

日本の魚食文化=焼く、煮る、漬ける、たたく、干す、酢で締める
塩蔵する、発酵させるを魚種ごとにしっかり使いこなせばどんな魚も
美味しく食べられる、と伝えようとしている料亭の料理人さん。

これらの人のことを考えると、私はベジだけど、
たまにみんなと一緒の時などは魚も口にするし
魚を食べる食べないは別にしても、魚文化の消失、低下を含め、もったいないと思うことばかり。



長崎県雲仙市では小さなカタクチイワシでをどうしようということから、
嫁入りしてきた女性の考案で塩辛エタリをつくリ出したそうです。

エタリは和製アンチョビとしてイタリアのスローフード協会の『味の箱舟』にも
登録されるまでになったとか。すばらしいですよね。



エタリと同じように魚のぬかづけ、干物が認められるのもそう先ではないのかな。
でもそのためには海が綺麗になっていることが条件ではないのかな、と思います。
海をきれいにしたいなあ。

農薬を使わない農業は、海をまもることにもつながりますね。
自分にできることからやるしかないと思います。


シーフードベジタリアンの本も読んでみました。
ドイツに行ったときにドイツ人の心の温かさに触れた私。ヨーロッパではドイツが好き。
シンプルで野暮な暮らしも共感します。

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